土曜日の午後にスズキのお店にいった。

今年のうちに引越しをする。引っ越しをすると車が必要になりそうだ。その最初のアクションでまず新車を選ぶ場合のシミュレーションができるようになろう、と。中古車を選ぶよりも新車を選ぶほうが長いランウェイになりそうだから、はじめに調べるならそこからになりそうだ。技術的なことは正規販売店のひとに聞けばまずまちがいはないでしょう。そんな目論見だっった。

インターネットから「気軽にご相談ください」というのでフォームを送ってやったら、一時間後に電話が折り返されてきた。興味のある車種、というアンケート項目に「スイフトスポーツ」と答えたら「もうスイフトスポーツは都内に二台しか余っていないようなレベルなのです」と通告された。残念だが構わない、それならスイフトの話でも聞かせてほしい、ということになった。

販売店について、セールスマンとおはなしをする。試乗の希望は出していなかったが、社用車を試乗用にあけてあるからぜひどうぞということで、運転させてもらった。環七、方南通り、井の頭通り、環七とちいさく一周するあいだに、道路状況に注意を向けるアラートが二度鳴った。ドライブモードにいれたままでもクリープ現象を起こさないホールド状態のデモをしてもらった。無駄な機能を削って価格を抑えて販売しているイメージがあったから、コンピュータが干渉する幅が案外ひろいのを意外におもった。パドルシフトがついているのをみて使ってみたいとおもったが、ノーマルな道では出番がなかった。

販売店にもどったあと、ローンの営業をひとしきりうけた。クレジットカードを作れば金利が有利になるとか、年度末までに決済すればさらに金利が有利になるとか、見積りをいくつも出されて、次々に月ごとの支払額がやすくなっていくようすを、いくらか失敗した演技を交えながら説明なさるのを傾聴した。すごく前向きな印象なので、持ち帰って家庭でよくかんがえて参りましょう。そう申したのも失敗した演技にみえていただろう。とはいえ、きょうはこれまでだ。

ちょちょいとローン組んだらこれくらいの支払いですぐに新車が手にはいっちゃうものなんだなあっていうのがわかっちゃった気がする。池袋とか新宿とかで外国車を見せびらかしてるのはみんなすごいお金持ちなのかなとおもってたけど、背伸びしてローン組んでるのもあるんだろうなってわかっちゃった気がする。

ローンを組んでまで買うなら高級車にだってそりゃ乗ってみたい。とはいえ、ローンを組んでまで買い物して所有したいとは思わないから、ちゃんと買えてちゃんと動く国産大衆車がほしいなとおもったんだった、そもそも。

車を売ってもうけることと同じくらい、ローンを売ってもうけるように営業目標をあたえられるのはたいへんだなとおもった。車を買いにきたのにローンを買わされそうになるのを頭をつかって避けないといけないというのもたいへんだなとおもった。