こんどの日曜日に選挙があるということで選挙ポスターがうちの近所にもいくつも張り出されている。

どうしたものかねえとおもう。このなかからひとり選ぶとして、いったいどうしたものかねえ。迷ってしまっているのは、たぶん社民と共産からの推薦がいなくて、いつもそのどちらかにいれがちなこちらの投票パターンを破らざるをえないからでしょう。

現職者の地盤がはっきりと定まってしまっていてたぶん競争しづらいんだとおもう。四年前にはぼくはまだこの区には住んでいなかったからよく知らないけど。でも都民ファーストの女性候補はかなり名前を売っていて、立憲民主の候補も長妻議員の影響力が強くあとおししている印象。加えて公明党の候補も知名度十分にみえて、これで三名選出というのが既定の枠組みといった風情です。

ここで自民の候補がその三人からこぼれているのが特徴的な選挙区にもみえる。実のところ、掲示板の前に立ってじっとみつめてみるまで、自民党の候補がそこにいることに気づかなかった。存在感が薄いというより、党の知名度とかコネにむやみにたよらないやりかたで活動したいひとにみえる。それに気づくと、ひるがえって他の政党の候補者がどれだけ既成の権力のブランディングに乗っかっているかというのが浮かび上がってくる批評的な仕掛けにもみえる。

立憲民主党はアンチ自民党の受け皿になることができていない、という言説をよくきいて、はたしてそんなものかとおもっていたけれども、いまのぼくの考えを取り出して観察してみるとそれはたしかにそのとおりだ。たぶんこの立憲民主の候補は勝つだろうし、ぼくにとって彼にいれる意味はなさそう。勝ち馬に乗るというのはぼくにとってきわめて低い優先事項だ。

ぼくはたぶんアンチ自民党なんだろうなと薄くおもいながら暮らしてきたけれども、こんどの都議選では自民にいれる気がする。もしそうだったらそれはたぶん選挙権をもってからはじめての行為になりそう。当落線上のあらそいに貢献しなければ投票の意味がないとおもっているのかも。ぼくはなかばこの自民の候補が落ちそうな気がするし、落ちそうな彼にひとついれてあげたいという判官贔屓をする気配だ。

まあ、賢明にかんがえているようにみえてもやっていることはポスターをじっとながめたというだけのこと。いつものようにそうして、投票所のブースにはいって急に転向して、ぼんやりかんがえてきた候補と別のひとに不意にいれたりするし、いま述べるのも気まぐれだけのことです。