すばらしく平和ななにもないいちにちの日記。

パートナーとケーキを持ち寄ってビデオ通話をする約束でいた。近所のはじめての洋菓子屋さん「ジュリアン」に出かけていって、カリフォルニアタルトとモンブランを持ち帰る。天気はよかった。

約束の時間までなんとなくテレビをつけたら衛星でドジャース対オリオールズをやっていた。山本投手が四回まで毎回奪三振の無安打投球といって、さすがですといってながめた。

ビデオをつないで話をした。向こうではおおきなティラミスをほおばった。こちらでは晴れているからといって窓から玄関からあけはなって風がとおるようにして、熱いのにホットのハーブティを飲んで汗をかいた。山本投手はそのあいだも無安打投球を続けた。

新聞の料理欄にあるブリトーのレシピを教えてもらって、これなら日本でも作れるかもとか、コロナにかかっていたあいだにおいがしなかったのが治ってわかるようになったとか話していた。高校生のときに留学にいったときのメンバーがそのあとどうしているみたいな昔話をしたりきいたりした。

そのうち山本投手はテンポよく投げ込んで、七回も無安打。八回も無安打。ええ! もうすぐノーノー達成じゃん、といって、テレビの画面を映しながらいっしょにながめた。ワンアウト。ツーアウト。

ここを打ち取れば無安打完封というバッターは有望な若手として一番打者を打って勢いのあるジャクソン・ホリデイ選手。おもいきりよく引っ張った打球がスタンド最前列にはねかえって、ホームラン判定だ。残念! 惜しいけど、そんなこともあるよねえと話した。

で、球数がずいぶん増えていたというので、野手たちにねぎらわれてマウンドを降りる山本投手。そのあと、二点リードであとアウトひとつの場面、リリーバーの投球は、二塁打、三四死球で押し出し。あわてて投手交代して、逆転サヨナラタイムリーを被弾。まあまあ、一生懸命やってはいるんだろうけど、テンポよく無様な負け姿をさらした。

こんなにひどい試合はみたことがない、と言いかけて、いやそんなことはないなとおもった。去年のポストシーズン、ドジャース対パドレスも相当にひどかった。ファンが暴徒化して外野手にゴミを投げつけた。あれもまあひどい試合だった。

それとは別のまずさ。単に勝負どころに弱すぎるのをみて、あきれて乾いた笑いを笑ったひとがおおかったんじゃないかな。ワールドチャンピオンを防衛するチームが、なんでこんな弱いんだろう。子どものころにテレビでみた堀内巨人の弱さに似ているとおもった。見せかけは強そうで、ツンと押せば崩れる。かわいそうに。

なんてことがあって、なにもない日に野球をみるだけでなにかとんでもないことが起こったような気がしてくるから、なんだかんだとだらだら観戦するのはやめられないのかも。

夜は夜でごはんを食べながら、阪神が優勝を決めるかもしれない広島との試合の中継をやっぱりみている。阪神は大事なリードを抜け目なく守って回を進めていて、スーパースターを暴れさせて勝つというのとは違いそう。みていて安心する野球だ。安心タイガースですね。とかいってるうちに阪神が無失点で守り勝った。リーグ優勝だ。すごい!

ひとりひとりがやるべき仕事をしっかりやったので勝てた、みたいなそれっぽいことをいったりするけれども、自分の仕事に集中することがチームプレーとして作用したり、自分の仕事だけやればいいとおもってしょうもないスタンドプレーに堕すのはなにが違うんだろうとおもった。

おなじ首位でも、阪神ははっきり強いし、ドジャースははっきり弱い…