市役所ではたらいている友だちが、部長がバックネット裏のチケットをゆずってくれたから行きませんかと誘ってくれて、楽天イーグルスのホームゲームを観にいった。
チケットばかりでなく、仙台までの車も出してもらって、則本投手のレプリカユニフォームも貸してくれた。黒字に金の格好いいやつ。こちらで持ち出したのは、引越しの段取りをして道の駅によったときに無料の福引をひいたらあたった応援バットを二組。ユニフォームを羽織って二組四本のそのミニバットをぜんぶ首にさげた。楽天のファンになる気まんまんでいた。
イーグルスの先発は古謝。ライオンズは髙橋光成。古謝投手は立ち上がりに四球があってもピンチは許さず、徐々に温まっていく印象の投げっぷり。はじめて三者凡退をしたイニングはおおいに興奮させられた。髙橋光成投手もおなじように、四球か単打は許しても二塁は踏ませない狡猾な投げっぷり。
おたがい投手は崩れなさそうだし、連打というよりもソロホームランひとつで試合が動きそうすね、みたいな雑談をしていたら、四回の裏に主砲のボイト選手が右中間にソロを打った! おもわず立ち上がって、歓声のピークでハイタッチをする、これがまたたのしい。それで楽天が一点を先制したら、そのあとの西武の攻撃で七番のセデーニョ選手が右中間にまったくおなじ弾道のホームランをもうひとついれて、すぐに同点に追いつかれた。甘い球ひとつを打ち損じないのは敵ながらあっぱれです。
五回の裏の攻撃は、それまで好投の髙橋光成を四球と単打で攻めて一死満塁のチャンスに、上位打線が続けて凡退であっけなく終わる。ルーキーの宗山選手が二番ショートで打席に立つとワクワクしたものだったけれど、見せ場はなかった。失策もひとつしていた。まあ、若くしてミスできるチャンスを得ていることそのものにさえ期待を寄せてしまうんでしょう。
古謝投手は力投したあと、七回のピンチでリリーフの加治屋投手に交代する。イーグルスは三塁手のフランコ選手が平凡なゴロを後逸して、捕球さえできていれば余裕のダブルプレーで攻守交代のはずが、一死満塁のピンチを背負ってしまった。そこから加治屋投手と太田捕手のバッテリーミスふたつで自滅してしまった。ライオンズは源田に替えて代打の山村選手がタイムリーヒットも打った。三点のビハインド。
ライオンズのブルペンは、甲斐野投手から平良投手とつないで、イーグルスはそのまま反撃できずに無得点のまま一対四でゲームセットとなった。平良投手は豪速球をビシバシ投げ込んで、惚れ惚れするクローザーです。あの七回のフランコ選手のエラーが致命的だったと反省会をして、友だちはこれまで現地観戦すればかならず勝つというジンクスが五連勝で途切れてしまいました。また来ましょう、次は勝ちましょう、と話す…
負けたとはいってもイーグルスは、上位打線に若手の有望株が並んで、中軸以下には助っ人選手とベテラン選手が並んで、バランスよく応援のしがいもあるというもの。球場の正面の物販エリアでは、前のシーズンに売り出しになった応援グッズが在庫処分の大バーゲンになっていて、ぼくはこの日は投げなかったけどエースナンバー19の荘司投手のユニフォームと、浅村選手の背番号3のシャツを買った。もともと¥9800だったのが¥980になってた。
イーグルスの試合をみたのははじめてのはずなんだけど、よく考えると大学生になってひとり暮らしをしていた部屋で岩隈投手のマフラータオルを普段遣いしていた気がする。宮城球場にきたことは絶対にないはずなんだけど、あのタオルがどこからきたのかはサッパリわからない。という話をしていた。もしかすると、高校生のときにいちどだけ、秋田こまちスタジアムにみにいったことがあったのかもしれない。でもそんな記憶もサッパリない。そのタオルがどこにいってしまったのかもわからない。